楽しみながら強くなれる!田村装備開発(株)の『ガチタマTV』!
2011年06月22日
『プライベート・ソルジャー』

もろに『プライベート・ライアン』にあやかろうと言うヒドい邦題ですが、繰り返しの観賞に堪えうる傑作戦争映画です。
監督はイギリス人のジョン・アーヴィン、『戦争の犬たち』、『ハンバーガー・ヒル』と言う、我々ミリタリーファンにも評判の良い戦争映画を撮った方なので、このジャンルは得意と言うかお好きな方なのかも知れません。
自分も『戦争の犬たち』が大好きで、特に冒頭のアフリカ某国を脱出するシーンの格好良さと緊張感にはシビレたものです。
原題は『When Trumpets Fade 』(1998)、バンドオブブラザースでお馴染みHBO製作のテレビ用作品。
1944年11月、ドイツ=ベルギー国境地帯の戦闘「ヒュルトゲンの森の戦い」におけるアメリカ第28歩兵師団の悪戦苦闘ぶりをリアルに描いています。
第28歩兵師団は、この戦いで「血のバケツ」という有り難くない別名を付けられてしまうほどの大損害をこうむるのですが、この戦闘自体がマーケット・ガーデン作戦とバルジの戦いの間にあったためか、戦闘規模、損害が大きかった割に知られていませんでした。
自分も、この作品を10年程前にレンタルビデオで鑑賞するまでは、全く知らないクチでした。
名著『ラストオブカンプフグルッペ』に詳しい話が出ていますので、ご興味のある方は一読をお勧めします。
さて、作品中のドイツ軍ですが、88ミリ高射砲と4号戦車の75ミリ戦車砲をバンバン撃ちまくり、やたらめったら強いのです。
陸軍部隊なのに、なぜかSS迷彩スモックが混じってたりもしますが、主としてコート姿のドイツ軍歩兵たちもなかなか格好良いです。
特にクラウス・キンスキー似の、いかにも古兵(ふるつわもの)の下士官は良い味出しています。
考証面も頑張っているようで、4号戦車は史実通り第116戦車師団(別名:猟犬師団)所属らしく、補給トラックにはちゃんと「ヴィントフント(猟犬)」の師団マークが描かれていたりもしました。
総じて、ドイツ軍ファンがかなり楽しめる作品となっており、オススメです。
もちろんドイツ軍が強いと言っても、結局はかなりやられちゃうのですがね、まぁ(笑)。
猟犬師団VS.血のバケツ。
ラスカンが良い資料になるので、リエナクトメントの題材としても格好だと思うのですが、いかがでしょうか?
御殿場の森など、舞台としてピッタリだと思うのですが。