2013年04月10日

『若い兵士のとき』



今回は岩波少年文庫『若い兵士のとき』を紹介します。
スキー訓練時にドイツ軍仲間にすすめて頂き、早速Amazonで購入しました。

著者ハンス・ペーター・リヒターは1942年に17歳でドイツ国防軍に志願、1945年のドイツ敗戦を歩兵少尉として迎えています。
当初、東部戦線に配置され、士官学校を経てフランスに配置、その後デンマークに移ったようです。

この作品は、著者の戦時中の体験を元に書かれていますが、いわゆる戦記物ではなく文学作品なので、日付や地名、部隊名などの情報が極端に少なく、戦闘シーンもほとんどありません。
しかし、その内容は、銃後の生活に始まり、入隊、訓練、兵営での生活、士官学校、食糧事情、叙勲についてなどなど、大変興味深い物が多いです。

また、ドイツ軍の知識をある程度持っている我々ならば、より深く内容を理解する事ができます。
例えば、文中の「丈夫な綾織りの兵隊服」はドリライヒアンツークであるとすぐにわかりますし、「中襟は襟のふちから麦わらの太さより多くのぞかせてはいかん」の「中襟」はクラーゲンビンデを指しているとすぐにわかるようにです。
階級や部隊の編成、規模などもより具体的に思い描けますし、訓練中に歌われる軍歌などはメロディーさえ浮かんで来るでしょう。

ドイツ軍の一兵士の体験記と言うのは日本語で読める物は案外少ないので、その意味でも我々ドイツ軍歩兵マニアには貴重と思います。
値段も文章量も手頃で、とてもオススメの1冊です。





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この記事へのコメント
ご無沙汰です。

ご好評なようで紹介した甲斐がありました。
ご存知かと思いますが、こちらは三部作になってまして

あのころはフリードリヒがいた、ぼくたちもそこにいた、があります。
ナチ党が政権を獲る過程とユダヤ人の迫害、ナチ党政権下のHJの
様子などが書かれています。

自分が印象に残ったのは、党関係の歌が歌われるシーンが多かった事です。
日本語訳だけですが、ハントさまには判るかと。

こちらも当時の世相が感じられるのでオススメで。

あのころはフリードリヒがいたの巻末資料にユダヤ人に対する各種布告が
月単位で載っており暗ーい気持ちになりますけど^^;
Posted by SIEG at 2013年04月30日 19:08
SIEGさん、こんにちは。
非常に良い本を教えて頂いて、有り難うございました。

スキー合宿でも話題になりましたが、主人公の所属部隊が気になりました。
カフタイトルを付けているような表現があるので、実はWSSなのかな〜とも思います。

残り2作も覚悟が決まったら(笑)読もうかと思います。
Posted by ハントハント at 2013年05月01日 11:28
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