2015年04月09日

『1942!!独ソ戦』手記その3。

『1942!!独ソ戦』手記その3。
また伝令が走ってきた。
いよいよ小隊陣地を放棄して、第1・第3分隊が撤退を始めるらしい。

分隊員たちは前進して戦闘に加わりたいのだろう、落ち着きを失っていたが、唇に人差し指をやって静かにしているように促した。
まず、撤退の援護をしなければならないし、その後の反撃は組織的に一気にやらなければならない。

右前方から数名の味方が走って来た。
小隊長グローバー少尉と共に撤退して来た小隊員たち。
明らかに人数が少なく、迎えた我々は動揺した。
無事小隊陣地を脱出できたものはごくわずかで、あのヴェスナー曹長も捕虜になったらしいとのことだった。

我々の陣地をルスキーどもから取り返さねばならない!
手短に反撃の打ち合わせをする。
まず、グローバー少尉率いる残余の部隊が、小隊陣地左側面に1列縦隊で突進する。
次いで一斉に右に方向転換し、横隊で陣地に突撃すると見せかけて停止、射撃を開始する。
それを合図に我々第2分隊が陣地後方から横隊で突撃、陣地を奪還する。
グローバー隊が陽動、第2分隊が主攻撃というわけだ。

『1942!!独ソ戦』手記その3。
シュッツェンケッテ(一列横隊の戦闘隊形)に展開した分隊の中央に戻り、左右の兵たちに反撃作戦の内容を伝えた。
「手信号で前進、命令をするまで射撃はするな。」と付け加えた。

準備を整えて待機してると後方から「マァシュ!(前進!)」というグローバー少尉の叫び声が聞こえた。
グローバー少尉は一列縦隊の残余の兵の先頭に立ち陣地左側に突進、次いで右に方向転換、横隊でさらに前進した。
小銃を水平に構える味方兵士が見えた。

「今だ!」
声を出さず、手のひらを2回上下させる手信号で左右の分隊員に前進を命じた。
灌木の中を早足程度の速度でそろそろと静かに前進する。

しばらく進むと視界がぱっと開けた。
目の前には我々の小隊塹壕、その中にうごめく10数名のロシア兵たちがはっきりと見てとれた。
塹壕の泥とカーキ色のロシア兵の中で、鮮やかなラズベリー色の襟章が際立っていた。
こちらに気付いている様子もない。
反撃作戦の成功を確信した瞬間だった。

<この項続く>





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