2010年09月11日

戦争映画バルジ物2作。

戦争映画バルジ物2作。
廉価版が出ていたので、今さらながら買ってみた2本。

『バルジ大作戦』

ハリウッド製娯楽作品ではありますが、バルジ戦に実際参加した陸軍第2戦車師団のマインラート・フォン・ラウヒェルト大佐がアドバイザーとして参加し、俳優陣にもへスラー大佐の従卒、コンラート役のハンス・クリスティアン・ブレヒという東部戦線帰りのヴェテランがいますので、考証的にも侮れないと思います。

実際、へスラー大佐の一連の軍服や柏葉付き騎士鉄十字章、ディーペル少佐(カール・オットー・アルバーティ)がフェルトグラウの車輛搭乗員服(いわゆる突撃砲ジャケット)に装甲擲弾兵の兵科色の肩章を付けていたりと、軍装面ではいい感じです。
また、メイキングも収録されており、ライヒェルト大佐が俳優にナチ式敬礼を教えたり、エキストラにMP40の持ち方を教えているシーンがあります。

敵(かたき)役のへスラー大佐とドイツ軍側の描写は何とも格好良く、それに対して本来主役であるはずの米軍側の描写は実に退屈で冴えないと言う、何とも不思議なアメリカ映画です(笑)。


『大反撃』 *ネタバレありますので注意してください。

昔から何ともスッキリしない作品なのです。
好戦的なファルコナー少佐(バート・ランカスター)の、どう見ても無謀なろう城作戦によって部下たちは意味もなく全滅、歴史的遺産である中世の古城と美術品も犠牲になります。
にもかかわらず、ファルコナーは最後までヒロイックに描かれているのです。

この話を「戦争中毒の指導者によって人の命も文化も失われる。困った事にそういう粗野で好戦的な指導者はいつの時代もヒーローとされるのだ。」と言う内容の「皮肉」であると解釈すれば、あらまぁ不思議!スッキリと納得できてしまいます。

この解釈が正しいかはわかりませんが、正しいとすればちとわかりにくいですね。
へスラー大佐のように「最初は人格者かと思ったが、とんだ戦争中毒者だった。付いて行けましぇん。」みたいにハッキリ描いて欲しかったですね(笑)。
もしかしたら、保守的なアメリカ人の観客や映画会社の重役たち、スター俳優のバート・ランカスターへの遠慮があったのかも知れない、などと想像してしまいます。

ドイツ軍装的にポイントなのはドイツ軍(WSS)の斥侯が山岳スモックの白面を着てることぐらいでしょうか。





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Posted by ハント at 13:05│Comments(0)戦争映画
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