2016年10月22日

WW2ドイツ軍のジャックブーツその3。

WW2ドイツ軍のジャックブーツその3。
当ブログで過去2回記事にしてきた、WW2ドイツ軍の行軍靴・マァシュシュティーフェルのレプリカを、今回大幅に改修しましたので、その過程を紹介します。

この行軍靴はドイツのミリタリーショップzib-militariaより購入したのですが、その後得た情報によると、STURM製と同一だったようです。
このレプリカ、数回のイベント使用には耐えてきましたが、しばらくするとホブネイル(鋲)の脱落が始まり、しまいには靴底本体が前からベロンと剥がれてしまいました。
購入当初、靴底は靴本体に縫い付けられているものと思っていましたが、縫い付られているのは土踏まず部分だけだったようで、少なくとも靴底前半分は接着だったようです。

再度接着で補修しても、また結局は剥がれてくるでしょうから、いい機会とばかりに靴底の縫い付けで補修する事にしました。
補修は、ドイツ軍仲間の方から教えていただいた、東京・池尻大橋のシューオブライフさんにお願いしました。
今回のような少し特殊な靴にも対応してくれる、大変心強いお店です。

WW2ドイツ軍のジャックブーツその3。
不要となった靴前半分の接地面となる「半貼り」です。
このブーツに使われていたホブネイルは、At The Front(以下ATF)で扱っているレプリカと同じもので、強度の低い合金製のため、相当数が根元から折れてしまいました。

WW2ドイツ軍のジャックブーツその3。
その裏側。
ATFのホブネイルの二股になった先端がわかります。
靴底に打ち込むと、先端が押し広げられて、固定されるようです。

WW2ドイツ軍のジャックブーツその3。
2週間ほどで靴底の補修は完成。
剥がれていた靴底本体を「縫い出し」という方法で縫い付てもらい、その上に新しい半貼りを接着してもらいました。
半貼りも一緒に縫い付ける方法もありますが、半貼りの縫い目から水が染み込むのと、今後の補修のしやすさを考慮して今回の形にしました。
また、大戦当時の実物は、接着と木の釘を併用して半貼りを貼り付けているようですが、難度が高すぎるため当初より断念しました。

WW2ドイツ軍のジャックブーツその3。
さて、ここからはDIYです。

画像は今まで補修用に集めてきた金具。
左上から、ミリタリ屋さんで買った黒染めされたホブネイル、小ぶりなホブネイル(茶色いのは錆が出ているからです)、つま先用の金具、銀色のホブネイル、ATFで買った二股のホブネイル、かかと用の金具。
ミリタリ屋さんとATF以外は1944 Militariaで購入しました。
この中から、つま先用の金具と銀色のホブネイルを使用しました。

WW2ドイツ軍のジャックブーツその3。
今回のブーツ改修に当たって新規導入した靴修理用台金を使用して、つま先の金具を固定し、ホブネイルを打ち込んでいきます。

新品の半貼りはとても硬く、さらに弾力があって、ハンマーを使用してのホブネイルの打ち込みはかなりの力仕事になりましたが、なんとか完成。
つま先の金具は、サイズの合う木ネジを探してきて、ねじ込んで固定しました。
本来はマイネスネジが適切ですが、プラスネジで妥協しました。

さらに仕上げとして、ドイツ軍仲間の先輩に教えていただいた、登山靴用の防水クリーム「スノーシール」を靴底全体に浸透させました。
耐摩耗性もある程度期待できるようです。
靴底の手入れには、革が締まりホブネイルが抜けにくくなるという、亜麻仁油も効果的だそうです。

WW2ドイツ軍のジャックブーツその3。
こちらはイベントに1回使用した後の靴底。
良い感じになりました。

当時のドイツ軍歩兵中隊には、専従のコムパニーシュースター(中隊靴職人)が一人いて、中隊員たちの行軍靴を補修していたようです。
現用の軍用ブーツとは違って、当時のブーツは日々の手入れと補修が欠かせなかったわけですが、これはレプリカの行軍靴にもそのまま当てはまりそうですね。





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Posted by ハント at 21:05│Comments(2)ドイツ軍装備
この記事へのコメント
質問失礼します。このブーツは履き口何センチくらいなのでしょうか?
最近のレプリカはふくらはぎ部分にあたる履き口が異様に大きく、どうしても不格好になってしまいます。このレプリカも購入候補なのですが、既に持っている方にお聞きしたい所存です。宜しくお願いします。
Posted by カーラ at 2020年05月15日 22:23
カーラさん、コメントありがとうございます。
今手元にないので計測はできないのですが、履き口は残念ながらかなり広いです。
棒型手榴弾を差し込むには向いてるんですが(苦笑)。
ドイツ軍らしいスマートなジャックブーツをお求めの場合は、おすすめしないです。
Posted by ハントハント at 2020年05月15日 23:05
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