2011年06月18日

『HF2011』名場面その3。

『HF2011』名場面その3。
侵攻戦が始まって数日、我々第709歩兵師団はひどく消耗し、内陸に後退していた。

師団は再編成を余儀なくされ、我々の小隊にはロシア人の分隊が配属された。
東部戦線におけるロシア人たちの残虐行為については、自分も幾度か見聞きしていたので、当初良い気分はしなかったが、このロシア人分隊は比較的練度が高く、中には流暢にドイツ語で軍歌を歌う者さえいた。

しかし、小隊長のグローバー少尉は嫌悪感を隠さなかった。
ロシア人の第3分隊を「グルッペ・ウンター(劣等分隊)」と呼んではばからなかった。

森林地帯での一進一退の攻防の中、敵が後方にも回り込んだので、警戒態勢をとっていた時、ロシア人分隊が背後から現れた。
戦闘態勢をとるでもなく、一列になって敵の方向に歩いて行く。
「ルスキー!ルスキー!ファイント!ファイント!(ロシア人、敵だ)」とアミーのいる方向を指し示しながら叫んだが、それを無視してロシア人たちは行ってしまった。
銃声が聞こえる代わりに、ロシア語や英語でのやり取りが漏れ聞こえてきたので、ロシア人たちの逃亡を確信した。

しかし、アミーたちに投降を拒否されたのか、ロシア人たちはぞろぞろと道を戻って来た。
今度は立ち上がって、短機関銃を向けて「ハルト!ハルト!(停止)」と命令した。
ロシア人はニヤニヤと笑いながら歩くのをやめようとはせず、やがて走り出したので、彼らの背中に向かって短機関銃を撃ちまくった。
近付くと2人倒れていて、確認すると、分隊長を任されていたロシア人下士官とネギチョフと言う顔見知りのロシア人だった。
残りは逃げてしまったようだ。

グローバー少尉にこの一件を報告すると、少尉は眼に憎悪の光を宿しながら、こう言い放った。
「敵は放っておいて良い。全兵力でロシア人を見つけ出し射殺せよ。」
「ヤヴォル、ヘァ ロイトナント!(了解、少尉殿!)」
「ロシア人を殺せ!」周辺にいた兵たちにこう叫ぶと、彼らは待ちかねていたように飛び出して行った。

*写真はノルマンディーにおいて、戦闘行動中のロシア人義勇兵。
特徴のある襟章、ソ連製短機関銃など、非常に興味深い写真である。

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これで「Historical Fest 2011」のリポートを終わります。
大変楽しく充実したイベントで、今後の更なる発展を期待しています。





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この記事へのコメント
その後のロシア人分隊の末路がと〜っても気になりますね…続編希望です(笑


そのうち、インド人義勇兵とか出てきそうな予感…
Posted by Hans Reichardt at 2011年06月20日 11:24
Hans Reichardtさん、こんにちは。

ロシア人義勇兵の末路はあまりに悲惨すぎて書けませんでした・・・というのは冗談で、ちょっとリアリティに欠ける展開になってしまい、自分の中の「名場面」からは外れたのでした。
確か他の方のブログに、その後の展開を書かれた物があったと思います。

ターバン巻いたインド人義勇兵が20名くらい整列したら、それはそれで壮観でしょうね(笑)。
Posted by ハント at 2011年06月20日 13:35
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