2010年09月04日

手記『ビゾリーの戦い』その2

続きです。

手記『ビゾリーの戦い』その2
*第1分隊「エルベ・アインス」の面々。分隊長と副分隊長は、ウール野戦服の上にM44迷彩服を着用。他の隊員は迷彩スモックを着用している。


森の外縁を注視して数分が経過、動きはない・・・。
俺の頭の中にひらめくものがあった。

中隊長の元に走った。
敵発見の状況を報告、さらに敵が北側に回り込んでくる可能性があると付け加えた。
中隊長の許可を得て、ビゾリ−北端に単独で走った。

北に延びる874号線を観察できる地点で待つ。
そして、街道を右から左に横切る敵影を発見!
2名、3名・・・分隊規模か?いや、もっと多いに違いない。
「アッラ〜ムッ!!」、再び絶叫した。

すぐに分隊員が駆けつけて来た。
民家の前に土盛りがあって、絶好の迎撃地点になった。
「マシーネンゲヴェール、クラールハルテン!」(機関銃、用意!)
土盛りに沿って展開すると、移動する米軍に向かって機銃掃射を開始。

さらに第2分隊「エルベ・ツヴァイ」も増援にやって来た。
その命令を出したであろう中隊長に心の中で感謝した。
この時点で敵は奇襲のチャンスを完全に失った!

さらに左に移動する敵影を確認。
迂回攻撃をするつもりなのだろうが、こちらに好都合な事に左手には大きな池があった。
つまり、最大限回り込んでも9時の方向からという事だ。
こちらからは十分見渡せる位置だ。

10時の方向、木立の間から米兵がわらわらと現れた。
短機関銃を発射したが、ションベン弾なので敵は倒れない。
しかし機先を制する事には成功したみたいだ。

その時伝令が走って来て中隊長からの命令を伝えた。
「戦闘を継続しながら後退せよ!」

まだまだ余裕があったが、余裕のあるうちに後退しなければ、タイミングを失う事になる。
まず第2分隊が後退した。    <つづく>

手記『ビゾリーの戦い』その2
*ビゾリー周辺の地図の一部。当初ビゾリーの東側に表れた敵は、北に回り込み874号線を越えた。ドイツ軍の予定した撤退路は821号線をフォアに向かうルート。(この地図はリエナクトメント用の物であり、実在のビゾリーとは異なります。)





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この記事へのコメント
懐かしい回想ですね。この時はどうしても橋まで撤退せよとの(戦線の平均化)命令のため撤退命令を出しました。たしかこの時程命令を聞かなかったことはなかったなぁ。ヘルムートも声を枯らしたけど私も声がかれました。というか昭和22年頃の回想のようでだめですな。まだまだ1942年ですよ(笑
Posted by ピルツSS中尉 at 2010年09月04日 23:23
おおっ!中隊長殿!
コメントを有り難うございます!光栄の至りです。

ビゾリーの戦いは初の下士官役だったので、とても思い入れがあります。
特に最後の交戦しながらの撤退は非常にうまく行ったので、ちょっと自信を持つ事が出来ました。
でも、他の分隊は大変だったのですね・・・。

今年で戦争4年目ですか。露助はしぶといですね(笑)。
Posted by ハント at 2010年09月05日 01:00
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